【ダブルケア月間特別企画】ひとり親のダブルケアに必要な支援を考えよう

ひとり親のダブルケア

ひとり親ケアラーのための支援

保育所の入所支援

ダブルケア世帯の保育所への入所サポートは、既にいくつかの自治体で導入されていますが、より全国に広がって欲しいなと思います。

皆さんご存じの通り、保育所の入所には、家庭外での保育が必要であると判断するための「点数」が必要。

この点数が高い人ほど優先的に保育所への入所が認められていくわけですが、

そこで大きな分かれ道となるのが
「親の同居」

待機児童が多い地域だと、「同居している」と伝えただけで、窓口で難色を示されるそうです。

また、「親族の介護」の項目の中をよく読んでみると、「同居の親族」と限定されている場合もあります。

介護は、必ずしも同居しているとは限りません。

近距離別居で通い介護の方も大変多くいらっしゃいます。

「同居/別居」に拘らず、「ダブルケア」の状態そのものを保育所の入所事由にして欲しいなと思います。

本来は「祖父母と同居しているか」が重要なのではなく、

「母親以外に、子供を安全に任せられて、頼れて、協力してくれる人が家庭内にいるか」

ということを総合的に見ていくべきなのではないか、と思います。


学童の利用

小学生以降、放課後の子供の預かり場所と言えば学童。

しかし、学童も保育所同様、働いている家庭が優先となり、就業以外の事由だと利用できないケースもあります。

(放課後児童健全育成事業の一般原則)

第五条 放課後児童健全育成事業における支援は、小学校に就学している児童であって、その保護者が労働等により昼間家庭にいないものにつき、家庭、地域等との連携の下、発達段階に応じた主体的な遊びや生活が可能となるよう、当該児童の自主性、社会性及び創造性の向上、基本的な生活習慣の確立等を図り、もって当該児童の健全な育成を図ることを目的として行われなければならない。

放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準 | e-Gov法令検索

私が住む自治体では、学童の利用案内にも「保護者が家庭にいる場合は家庭での保育をお願いします」と太字で書かれています。

しかし、「ひとり親+介護」や「ダブルケア」の場合、就業しているか否かに関わらず「フルタイムの就業」と同じ扱いに出来ないだろうかと思います。

特に近距離別居での介護の場合、短時間でも家を空けることも多く、その間は子供に留守番をしてもらわないといけません。

就業ベースの現状の制度では、「働きたくても働けないひとり親」や介護のために家にいなくてはいけないダブルケアラー」を救い上げることは難しいのです。

また、施設入所している方の場合、面会が午後から始まる施設も多く、下校時間を考えるとなかなか面会に行けないと言う話もよく聞かれます。

コロナ禍以降、施設への子供同伴での面会が許されていないケースも多く、土日も配偶者の協力がなければ行くことが出来ません。

そして、子供が学校から下校する時間と、高齢者がデイサービスから帰宅する時間はほぼ同じ。

母親は、一気に子供と高齢者の対応をしなければなりません。

ほんの1、2時間でも子供の帰宅時間がズレてくれたら、在宅介護/施設介護どちらにおいても、介護と子育てのバランスをとれる人がいるのではないかな、と思いました。

就学後の子供の預かり場所の問題は、ダブルケアやひとり親でなくても、女性の社会進出を阻んでいる要因の一つでもあると思っています。

一刻も早い対策が望まれます。


保健師の定期訪問

就学前の子供がいる家庭の相談先として代表的なのは、自治体の保健師さん。

そこで、就学前の子供がいる家庭がダブルケアになった場合や、

既に介護をしている方が妊娠した場合、

また、出産後にダブルケアになることが明白であるような場合は、

保健師の定期的な家庭訪問の実施があるといいのではないか、と思いました。

ダブルケアの状態は、特にケアをメインで担うことの多い母親への影響が強く、精神的に追い詰められてしまったり、肉体的にも疲労が蓄積されやすいです。

結果的に、母親自身の不調が、子供にも影響を与えてしまう可能性は否定できません。

乳幼児の頃は、赤ちゃんのお世話だけで日中は疲労困憊。

それだけで外出へのハードルがあがります。

そこに更に要介護者の存在です。

特に認知症で徘徊などがある場合、ゆっくり家を空けることは出来ません。

となると、相談先まで相談しに行くことはもはや夢のまた夢。

「相談先」が近くにあっても、ものすごく遠い存在になってしまうこともあります。

保健師さんに介護の問題を解決することは出来なくても、介護をしながら、母親としての役割も果たそうと懸命に子供に向き合っている母親の心に寄り添ってくれる人がいるんだと思えたら、それだけでも救われる人がいるのではないかと思うのです。

孤独を感じずに心を強く持てる人もいるのではないかと思うのです。

相談しにこない、だから大丈夫。

それは違います。

助けて欲しいし、聞いて欲しい。

そう思っていても、相談しに行けない人がいます。

相談できる場所は知っていても、そこまでたどり着けない人がいます。

そのことに気づいて欲しいし、その人たちにまで支援の手を確実に届けていく必要があると思っています。

そのために行政に求められているのは、

「来るのを待つ」
のではなく
「会いに行く」

そんな積極的な取り組みではないかと思うのです。


乳幼児健診への支援

乳幼児期には、定期的に健診がありますが、ダブルケア世帯の中で、希望者や必要性があると判断された場合には、自宅に保健師が訪問し、自宅で健診を実施してもらえたら助かる人もいるのではないでしょうか。

内科健診は、「かかりつけ医か指定医に〇か月以内に受診して下さい。」でもいいような気がします。

というのも、子供の健診に行く為には、要介護者をデイサービスに預けたり、誰か他の家族に様子を見てもらえるように事前に頼まないといけません。

また、健診は、だいたい、午後1時ころから始まって、終わるのが午後3時前後。

たった2時間…と思うかもしれませんが、経験したことのある母親ならその大変さがわかるはず。

健診が午後からだったとしても、その日は、逆算して朝から子供の準備をします。

出来るだけ機嫌よく健診に臨めるようにするためです。

でも、子供はもちろん、高齢者も自分の頭で思い描くような完璧な行動を取ってくれるはずもなく、

大体は時間通りにいかずイライラして、気持ちに余裕がないまま健診時間を迎えるのです。

そして健診時、ほとんどの子供が大泣き。

帰宅するころには母親はグッタリ。

健診で安心するどころか、他の子供と比べて落ち込んでしまうことも少なくありません。

その状態でも、ダブルケアの場合、一息つく間もなく要介護者のお世話が待っています。

そんな時に、気を利かせて要介護者が優しくなったり、子供が親の言うことを聞いてくれるようになるわけもなく、余計に母親の心身に悪影響を与えてしまうこともあると思うのです。

なので、保健師さんが自宅に来てくれて、自宅で健診をしてくれるとなったら、いくらか負担を軽減できたり、安心できる方もいるのではないかな?と思ったりもします。


母親の健康観察

「その①」と繋がっているのですが、保健師が定期訪問する際の+αとして、看護師の同伴があったらいいなと思いました。

なぜ「看護師」なのかというと、メインのケアラーである母親の血圧測定や必要に応じて血液検査の実施をしてもらえたらどうだろうか、と思うからです。

というのも、ダブルケアの場合、母親やキーパーソンとなる人自身の健康管理がどうしても疎かになってしまいます。

これ、勘違いしてほしくないのは、健康管理を怠っているわけでも、放置しているわけでも、軽視しているわけでもなく、見て見ぬふりをするしかないのが現状なのです。

子供や高齢者を気軽に誰かに預けられる環境にはなく、症状があっても、市販薬でごまかしたり、自力で治して医療機関に罹らずに様子を見ている、なんてこともザラにあります。

結婚していたとしても、配偶者の方が日中に休んで子供や高齢者を見れる、ということも現時点ではなかなか難しいのが現実。

ひとり親だと尚更難しく、もう誤魔化すしかない。

結果として、病の発見が遅れたり、病状の悪化などが懸念されます。

例え、無料で受けられる集団検診があっても、それを受ける気持ちがあっても、受けに行くことが出来ない人がいる、ということも知って欲しいなと思います。

他にも、「保健師の定期訪問+α」の別案として

保健師&民生委員
保健師&地域の相談員さん等が

一緒に自宅を訪問してくれたら、子供と高齢者のどちらの実態もつかめるのではないかな?と感じます。


カウンセラーの利用

ダブルケアであることが判明した時点で、自治体から、メンタルケアに関するサービスの利用案内などがあると嬉しいです。

ダブルケア専門の相談窓口があれば一番いいですが、まだまだ少ないので、今ある相談センターでも構わないと思います。

相談先を記載した一覧表を自治体から提示してもらえるだけでも、安心できる人もいると思います。

介護サービスを利用している家は、外部の繋がりがあるから大丈夫。

という認識は大きな間違いで、介護サービスを利用していても、ケアをする人を支えるサービスは一切提供されません。

介護サービスの利用関係なく、介護者の「こころの健康」を常に見守る体制作りが必要だと感じます。

オープンケアプロジェクト

ひとり親の話題からは少しずれますが…

介護業界の抱える課題に向き合うべく、経済産業省があるプロジェクトを発足したのをご存じでしょうか。

それが、「OPEN CARE PROJECTです。

このプロジェクトのキャッチフレーズは

介護を「個人の課題」
から
「みんなの話題」

ほんとにその通りだと思うんです。

確かに介護は、「個人」に起きていること。

しかし、その個人が増え、社会に影響を及ぼしているとなれば、それはもはや「個」ではなく「全体」の課題。

「個」で向き合う課題も当然ありますが、

「個」では解決できないことも、
「みんなと」なら解決策が見つかるかもしれません。

「個」が持っているアイデアを持ち寄り、
「みんなと」共有できれば、より豊かな未来を描けるかもしれません。

「個の課題」として終わらせてしまうことは、介護の未来、そして日本の未来を豊かにする貴重な機会を、どぶに捨てているようなものなのではないでしょうか。

また、専門家や介護職だけではなく、私たちのような一個人が家族のケアをする中で得た学びも、今後の介護業界や、迫りくる2025年問題でも、活かせることがあるのではないかと考えています。

» 2025年問題とは何か?図解でわかりやすく解説します
いまの日本が直面している「2025年問題」。今回は、超高齢社会の到来でおこる、2025年問題とは何か?医療や介護、社会保障費に与える影響や対策について、図解でわかりやすく解説していきます。

ひとり親になったのは自分の責任。
不便でも我慢しなさい。

そんな雰囲気さえ漂う世の中ですが、ひとり親になる要因は、離婚だけではありません。

不慮の事故や病気によって、意図せずひとり親になってしまうこともあります。

結婚していても、単身赴任などで夫婦が離れて暮らしていれば、実質ひとり親と同じ状況です。

また、近年はパートナーがいても敢えて結婚をしない方や、妊娠しても、結婚せずに一人で産み育てる選択をする方もいます。

当然今の私たちのような「ひとり親でダブルケアになる」という人が増えてくることが予想できます。

ライフスタイルが変化すれば、「介護のカタチ」も当然変化する。

昔から続く「家族介護」を継続しようとすることの方が、無理があるのだと思います。

そして、介護に限らず、福祉業界全般に言えることだと思いますが、

「自力で辿り着けた人だけが得られる支援/サービス」というものが数多く存在します。

知れた人だけ、繋がれた人だけが得をするのではなく、誰もが、平等に支援やサービスを受けることが出来る社会であって欲しいなと思います。

今回コラボした、Poka_Pokaさんの各種アカウントをご紹介しま

私は料理が苦手なので、Poka_Pokaさんのお写真をいつも参考にさせてもらっています!

お野菜多めのメニューなので、健康的に体を整えたい方にオススメです☺

他にも、お子さんが好きそうな、かわいらしいメニューもたくさんあります。

お料理だけではなく、テーブルコーディネートとても参考になるので、是非、ご覧になってみてください♪

X
Insta
Blog

コメント

タイトルとURLをコピーしました