「介護」親のお金はどうやって管理する?

お金の問題

※この記事は、過去記事のリライト版です。

何年かかるかわからない介護の費用は、親のお金だけで賄えるのが理想的です。

お金で介護の全てを解決できるわけではありませんが、お金があれば解決できることがあるのも事実です。

”その時”に困らないためには、何が出来るでしょうか…?

金融資産の有無

親・家族が、どんな金融資産を持っているか知っていますか?

金融資産は、預貯金の他に、株式・債券・投資信託・生命保険などが該当します。

銀行口座はいくつ持っていて、
どこの口座にいくら入っていて、
どんな使い分けをしているのか。

引き落としはあるのか。
あれば毎月なのか、
年に一度なのか。

把握していますか?

最近はネットバンクも当たり前にあります。

ネットバンクは、ログインIDとパスワードが分からなければ口座内容を確認することすらできません。

投資関係は銀行などを経由せずに個人でオンラインで行っているケースもあります。

更には、近年は、退職金で不動産投資をしている方もいるでしょう。

投資用の不動産を購入してローンを組んでいる状態で、介護状態になったら家族はどうすれば良いでしょうか…?

亡くなった場合と、介護状態とでは、わけが違います。

金融資産を保持する側は、なにかあった時に、家族に迷惑をかけない管理の仕方が大切になってくると思います。

銀行口座の管理

皆さんは、家族間・夫婦間で、
口座の暗証番号を共有していますか?

していない方がほとんどだと思います。

特に、離れて暮らす家族なら尚更知らないでしょう。

でも、その状態で独り暮らしの親が突然の怪我や疾病で入院したら、費用は誰のお財布から出しますか?

仮に親の貯金があったとしても、お金が必要になった時に、使える状態でなければ意味がありません。

預金口座は本人以外が
使用してはいけない

という大前提は理解した上で、
それでも、

親の口座にお金はある。
 ↓
暗証番号が不明で引き出せない。
 ↓
仕方なく建て替え続ける
 ↓
自分の貯金が減っていく
 ↓
自分の生活が苦しくなる

この悪循環は絶対に阻止しなくてはなりません。

万が一のために、家族のうち1人だけでもいいから、暗証番号を伝えておくことも必要なのかなと思いました。

【他人事じゃない】認知症で親の預金口座が凍結されるとどうなる?|LIFULL介護
認知症を発症すると銀行口座が凍結され、たとえ家族であっても預金を引き出すことはできません。凍結したらどんなことが起きるのか、その解決法について解説。※HOME’S介護は、2017年4月1日にLIFULL介護に名称変更しました。

暗証番号が知りたい!

実際、一人暮らしの母は、外出中に倒れて、先に書いた通りになったわけです。

術後、一週間ほどは会話は出来ませんでした。

それ自体は脳の疾患なので仕方ないと思っていましたが、現実的な問題として、入院費用が気になっていた私です。

過去、脊柱管狭窄症せきちゅうかんきょうさくしょうの手術で入院しているので、高額療養費の申請をすれば多額の負担を強いられることはないのはわかっています。

それでも、健康保険外のレンタル品等も含めると万単位で費用がかかることは明確です。

とりあえず私の貯金から払えないわけじゃないけど、専業主婦だった私にずっとは払い続けられない。

夫に払ってもらうのも申し訳ない…。

出来ることなら、最初から母の口座にあるお金を使いたかったのです。

その後、会話が出来るようになった母から、なんとかを暗証番号を聞き出すことに成功!

この時、『記憶残ってて良かった~』って本気で思いました。

だって、体の麻痺以外に、どんな後遺症が残ったのかはまだわからなかったから。

「数字」という概念がなくなっていたら…?

「暗証番号」という言葉を理解できなくなっていたら…?

暗証番号そのものを忘れてしまっていたら…?

母の口座から入院費用も、介護費用も払うことは難しかったと思います。

成年後見人などの手続きを何一つしていなかったので、暗証番号を覚えていてくれたのは不幸中の幸いだったと思っています。

金銭感覚・管理能力の低下

母は脳出血で強制的に家族が管理しなくてはいけない状態になりましたが、介護の多くは認知症から始まります。

認知症が進行すると、金銭感覚が鈍ってしまったり、貴重品の適切な管理が出来なくなることがあります。

体験談を聞いた時にも、無意識に使い込んでいたり、せっかくおろしたお金をATMから取り忘れてしまったりすることがあったそうです。

お財布を落とせば、キャッシュカードや身分証明書も同時に紛失する可能性があります。

認知症だと、どこで落としたのかを辿ることも難しいかもしれません。

さらに頭を悩ませるのが、必ずしも家族が同居しているわけではないということ。

本人の管理能力が低下していたとしても、離れて暮らす家族は、注意喚起する程度しかできないという状況。

仮に、同居家族がいたとしても、家族に財布を管理されることに抵抗を示す方も多いと思いますし、家族としても、財布を預かります!とは言いだしにくい部分もあるだろうと思います。

とはいえ、ことが起きてからでは手間が増えるだけです。

成年後見制度も様々な手続きや、揃えるべき書類があるようです。

元気な時にしかできないことがあるのです。

母のように寝たきりになれば、立ち会うことも、自署で署名することも、口頭で確認することも難しくなります。

はっきり言えば、介護が必要な状態になってから考えたのでは遅いのです。

親が認知症になったら、親の銀行口座から預金の引き出しは困難?対策方法を解説|りそなグループ
親が認知症になった場合、親名義の銀行口座から預金を引出すことは難しくなります。思いがけず多額の介護費や医療費などを立て替える必要が出てくるかもしれません。そうしたリスクに備えて今からできる対策方法を解説します。

『エンディングノート』や
『終活サービス』が始まった頃、

死んだ時の話なんて
縁起でもない!

と否定的な意見が多くありましたが、
今は普通になりましたよね。

それと同じように、『介護』についても考えてみて欲しいと思います。

縁起でもないことは、
現実にある日突然起こるんです。

そして、医療が発達する現代では、亡くなる前に、介護状態になる人が多いことも頭に入れておいて欲しいと思います。

病気やケガをした後、それまでと同じような人生が送れる保証などないのです。

明日には、寝たきりになっているかもしれないのです。

『元気だから大丈夫』ではなく、大切な家族のために元気な今の自分が出来ることはないか、考えておくことが大切だし、それが優しさだと思っています。

お盆やお正月など、家族が顔を合わせる機会に、介護について気軽に話し合えるような世の中になったら嬉しいなと思います。

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