好き嫌いじゃない!「食育」の常識を覆せ!「偏食」のある子育て

偏食

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突然ですが、食べ物に【怖さ】を感じたことがありますか?

フルーツを見て、「怖い」と感じますか?

ケーキやお菓子を見て、「怖い」と感じますか?

オムライスやスパゲッティを見て、「怖い」と感じますか?

一般的には、感じない人がほとんどだと思います。

少なくとも、私には一度も感じたことがない感覚です。

しかし、娘にはそれが当たり前。

現在9歳の娘。

9年間で、自発的に食べたフルーツ・野菜はありません。

幼稚園の時の給食で、「一口食べよう」と食べたことはありますが、余計に嫌いになったようです。

目の前に出された食べ物は、まず疑う、これが娘の普通

今回は、Twitterでもよく話題になる【偏食】について、娘の状況を踏まえながら私なりの考えを書いてみようと思います。

偏食のタイプ

偏食と一言で言っても、タイプは様々です。

  • どんなに小さくカットしても、混ぜた野菜に気づいて吐き出す
  • プチプチ・ザクザクした食感のもの、フライの衣を痛く感じる
  • 裏ごししたり滑らかな食感のものだと食べれることもある
  • 口に触れるストローやスプーンの素材、形状にもこだわることがある
  • 調味料(醤油・味噌など)のメーカーを変えると、いつもと味が違う…と気づく。
  • 商品リニューアルで味が変わると食べなくなることがある。
  • 食卓にいくつもの食べ物が並ぶことを嫌がる(匂いが混ざる)
  • 納豆、漬物、酢の物など香りの強いものを嫌がる。
  • 熟すと甘い香りのするフルーツが苦手。
  • 香りで銘柄がわかったりすることもある。
  • 食品売り場は、野菜・果物・揚げ物・焼きたてパン・焼き芋など様々な食品の匂いが混ざりあっているので、買い物中に不機嫌になることもある。
  • 焼き具合(焦げ具合)やタレの濃さ、麺の太さ、食材カットの仕方を気にする。
  • パッケージがリニューアルされると、例え中身に変化がなくても食べてくれなくなることがある。
  • カレーやシチューを別々に食べる。
  • 混ぜご飯を嫌がったり、ふりかけ等をかけるのを嫌がる。

多くの偏食の子供が、これらを複数持ち合わせているのではないかと思います。

その他にも、心理的な要因から、突然食べられなくなることもあります。

特に、フルーツや野菜は甘さ・固さに個体差があります。

たまたまその子にとって『おいしくない』と感じる個体に出会ってしまい、苦みや渋みを感じて呑み込めなかった、吐いてしまった、などの出来事がきっかけとなり、それまで食べられていたものでも食べられなくなってしまうこともあります。

拘る理由

じゃあ、そもそもなんでそこまでこだわるのか…?

あくまで娘を見ていての私の考えでしかありませんが、防衛本能みたいなものなのだと思っています。

好き嫌い以前に、世間一般でいう食べ物のほとんどは、娘には食べ物として認められていません。

自分の体に何も異常は起きない

そう確信できて初めて、口に入れることが出来ます。

しかし、食べて確認する勇気もない。

それすらも怖い。

だからこそ、見た目や味がいつもと同じであることに拘るのだと思っています。

そう考えると、少し納得できるというか…理解できる…気がしませんか?

いつ頃気づいたのか?

ちなみに娘の食への異常さに気付いたのは1歳頃。

離乳食が全く進まなかったこと。

1歳になっても、1歳半になっても、母乳のみで離乳食を食べることがありませんでした。

白米も食べない。

水も麦茶も飲まない。

そもそも食べ物に興味すらない様子でした。

いくら、周囲でおいしそうに食べていても、見向きもしない。

そして、おもちゃを舐めたり口に入れてしまうこともなければ、自分の指をしゃぶることも全くありませんでした。

とにかく口に触れるものは母乳だけ、と赤ちゃんながらに徹底していたように思います。

育児書やネットを見て、いろいろ試そうとするものの、まず食材を口に入れてもくれないので試すことすら出来ませんでした。

なぜ食べてくれないのか?飲んでくれないのか?悶々とした日々を過ごしました。

他の子は食べてるのに我が子だけ食べない。

これは自分の育て方が悪いんだ…

そんな自責の念が、子供へと向かってしまい、母乳が欲しくて泣き叫ぶ我が子に、『ダメ!こっち食べなさい!』と怒鳴りつけたり無理に口に運んだりしたこともありました。

食べないことなんてわかりきってるのに。

大声で泣き出すことも、口から吐き出されることもわかってるのに。

冷静さを失ったその瞬間の私は、娘には鬼のように見えていたかもしれませんね。

そして、時間が経ち冷静さを取り戻すと、今度はただの八つ当たりでしかない自分の言動に落ち込み、我が子に対する申し訳なさがこみ上げてくる。

その繰り返しでした。

結局、卒乳したのは2歳半。

4月生まれの子なら、半年後には幼稚園入園です。

その時期まで母乳を飲んでいたと考えれば、離乳食が進まなかったことがよくわかると思います。

子供を叱る

娘の拘り

娘は最初に食べた物と同じものでなければ食べることはしません。

少しでも、形状・色・匂い、が違えば、『別物』と認識され、警戒スイッチON。

素直に食べてはくれません。

もし『見た目』が同じで口に入れたとしても、次に『食感』と『味』が違えば吐き出します。

例えば、フライドポテトが食べられる娘に、『同じじゃがいもだから食べてごらん』と肉じゃがやポテトサラダを出したところで食べません。

娘にとっては、細くカットされた「フライドポテト」だから食べれるのであって、「じゃがいも」が安心して食べられるわけではないのです。

9歳になった今でもそうですが、頭では理解してもどうしても食べられないのです。

娘に言わせれば

なんで皆は食べれるの?

怖くないの?不気味に見えないの?

という感覚なんだそうです。

これは、いわゆる一般的な食事以外の、お菓子に関しても同じことが言えます。

乳幼児期によく食べる「たまごボーロ」は一切食べませんでしたし、安くて助かる(笑)駄菓子も全く興味関心を持ちません。

フルーツを食べないので、ケーキも基本的に食べません。

ケーキ屋さんやクレープ屋さんを見てもいつだって素通り。

クリスマスや誕生日のケーキもなくていいと言っていて、本当に買わない年もあります。

クリスマスケーキのパンフレットを見て『まずそう。絶対無理…』と言われた時は衝撃でしたね…。

食べないものは一切食べないけど、逆に、気に入ったものはエンドレスで食べられます。

幼児期にお世話になる「アンパンマンジュース」を、9歳になった今も飲み続けています。

自販機のジュースは「Qoo」か「なっちゃん」
炭酸やスポーツドリンク、他のジュースは一切飲みません。


コンビニだとセブンイレブンの「塩むすび」か「焼きおにぎり」
サンドイッチやお弁当類はどれも食べれません。
※レジ横のフライヤー系はむしろ好き


マックのハッピーセットは、ナゲットセット一択。
ハンバーガーを含め、他のメニューは何一つ食べません。


ファミレスは「夢庵」のお子様うどん一択。
ガストなどの他のファミレスには一切行きません。

幼稚園の頃からなので、5年以上、飽きることなく毎回おいしそうにお子様うどんを食べ続けています。

10歳を超えてお子様うどんを食べていれば、私も人目が気になるようにもなるでしょう。
そして、いつまでお子様うどんを注文できるのかな…と不安があるのは事実ですが、貴重な外食場所なので今は見守るしかありません。

一口食べよう

『一口食べてみよう』『一口でも食べれたらOK』とよく言います。

給食指導でも『一口チャレンジ』と称して行われていたりします。

しかし、発達障害や過敏からくる偏食の子には、かなり危険な声掛けかなと個人的には思います。

『一口食べられたよ!』
『新しいもの挑戦したよ!!』

と、子供の自信や喜びに繋がっていればいいと思います。

しかし、そうでない場合、

『食べさせられた』
『食べなければ褒めてもらえない』
『食べるまで終われない』
『食べないとママや先生が悲しい顔をする』

そんなプレッシャーで食事の時間が苦痛になったり、最悪、園や学校に行けなくなってしまうこともあります。

苦手なものを食べさせることが出来た、という大人の満足感を得るためだけの『一口』にならないよう、気を付けたいところです。

娘からすれば、その一口でお腹が痛くなるかもしれないし、吐くかもしれない、もしかしたら〇んじゃうかもしれない、そんなことまで考えています。

大げさだなぁ~そんわけなだろ~と、思いましたか?? 

では、イメージしてみてください。

少し前に話題になった昆虫食。

『おいしいよ!栄養もあるし、一口食べてごらん』と言われて出されたら、『わかりました。いただきます!』と素直に従えますか?

咀嚼し、呑み込める自信はありますか?

この例えは、決してオーバーではありません。

娘にとっては、フルーツや野菜も同じような感覚なのだと私は思っています。

偏食がある子にとっての一口は、たった一口』でもなければ『一口ぐらい』でもない、ということを多くの方に知って欲しいなと思います。

偏食の子供に対し、一般的な食育の考えは通用しません。

”一般的”に合わせようとすればするほど、自分も子供も追い詰められていくことがほとんどではないかと思います。

育児雑誌、インスタにあるようなかわいらしく盛り付けられた離乳食やキャラ弁も食べません。

バランスの良い食事も無理です。

白いご飯と茶色いおかずばかりが続くのも当たり前です。

クリスマスや誕生日、ひなまつり、ハロウィン、様々なイベントにふるまわれる彩り豊かな豪華な食事も食べられないことが多いです。

親戚や友達と集まると、一人だけ同じものが食べれずに寂しい思いをすることもありますが、家族だけでする分にはメニューに迷うことがないので準備がラクとも取れます。

私の手間を省いてラクさせてくれてるんだな~と前向きにとらえるようにしています。

泣く子供

子供も悩んでいる

忘れてはいけないのが、子供もまた同じように悩んでいるということです。

出されたものを食べないことで、母親が悲しい顔をすることもわかっています。

残さず食べたら褒めてもらえることもわかっています。

お野菜も食べないと大きくなれないよ!
バランスよく食べないと病気なるよ!
と言われて、自分の健康が不安になっていたりもします。

みんなと一緒に食べてみたい気持ちもあります。

全部わかっていても、どうしても体が受け付けないのです。

食べられるようにすることよりも、子供の気持ちに寄り添ってあげることの方が大切なのかも…

偏食の子供に向き合い、色々試してくると、最後に辿り着くのは【元気だったらいいよね】ということ。

もちろん、肥満や便秘になりやすいので、その分運動をしたり、適宜病院との連携は必要だと思っています。

寝たきりの母の食事は、胃ろうだけ。

娘は、偏食で食べられるものが極端に少ない。

『食』の多様化が進む我が家。

家族で同じものが食べられなくても、毎日同じものを食べていても、『おいしいね』って食事の時間を共有できたら十分かなと思っています。

残さず食べれることはもちろん素晴らしいです。

でも、残さず食べること以外にも、大切なことはあるはずです。

何を食べたか、よりも、どんな食事の時間を過ごしたか、も大切じゃないかなと私は思っています。

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