経口摂取が困難になった場合の食事とは?

※この記事は、過去記事のリライト版です。

リハビリ病院の入院は最長の半年間。

経口摂取のリハビリも頑張りましたが、思うようには進みませんでした。

最終的に医師から胃ろうの提案があり、母と話し合った時のことを振り返ろうと思います。

経鼻栄養と胃瘻の違い

そもそも、鼻からの栄養と、胃ろうとで何がどのように違うのか。

専門的な情報ではありませんが、私が当時参考にしたことをまとめてみようと思います。

経鼻栄養:鼻から胃まで通したチューブで栄養剤を投与する手法

胃ろう:おなかに開けた小さな穴から、直接、胃へ栄養剤を投与する手法(※胃瘻は造設が困難な場合もあります)

胃ろうが造設できないケース
  • 胃の一部切除などの手術をしている
  • 出血過多、血が止まりにくい
  • 全身状態が不安定
  • 内視鏡検査が出来ない
  • 胃とその付近の臓器が正しい位置にない 等
経鼻栄養と胃瘻の比較

胃瘻の種類

ご本人の状態や生活スタイルによって医師と相談して決めることが可能です。

出典:「胃ろう(PEG)と栄養」NPO 法人 PEG ドクターズネットワーク
実際の胃ろう部の様子
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母の決断

胃ろうにする場合、造設のための手術が必要です。

手術は30分程で、局所麻酔、日帰りなのでそこまで身構えるものでもなさそうでした。

それでも、すっかり処置の類のものへの抵抗感が強くなっていた母。

もう手術なんてしたくない!
今のまま(鼻からの栄養)でいい!

という反応でした。

『胃ろう』を拒否しているというより、『手術』を拒否しているように見えました。

確かに、母はこれまで、脊柱管狭窄症、ペースメーカー埋込み、そして脳出血の手術を経験し、その度に術後の痛みや麻酔の副作用に苦しんできました。

更には、自分の意思で動かすことが出来ない体で生きていかなければいけないという何よりも耐えがたい苦痛を今まさに味わっている。

胃ろうにするにも痛みを伴い、胃ろうにしなくても結局苦しみは続く。

胃ろうにした場合の生活、しなかった場合の生活、どちらも話し、最終的な判断は母に委ねました。

結果、母は胃瘻にすることを決断。

とても酷な選択・判断をさせたと思います。

しかし、母自身も自分に残された時間はそんなに長くないことはわかっていました。

だからこそ、自分で、
残りの人生をどう生きていきたいか
決めて欲しかったのです。

手術

入院していたリハビリ病院では造設手術は出来ないので、紹介してもらい、別の病院での手術となりました。

当日は、手術する病院で待ち合わせ。

母はリハビリ病院の送迎でベッドのまま到着。

診察~手術まで全てベッドに寝たまま終えました。

局所麻酔が聞いているので、あまり痛みを訴えることはないと言われましたが、母は手術直後から終始「痛い、痛い」と涙を流して訴えていました。

お腹に穴をあけたわけですから、痛いのは当然ですが、高次脳機能障害の影響で、特に痛みや感覚に敏感になっていたのだと思います。

数日程で痛みを訴えることもなくなり、鼻に入っていた管もようやく抜くことが出来ました。

およそ半年ぶりに管が抜けた母の顔を見て、知っている母の顔だ…と思ったのをよく覚えています。

それだけ、鼻に管が入っている姿は、病人であることを強く印象付けるものだったのだと思います。

胃ろうと経鼻栄養、

どちらが良くて
どちらが悪い

というものではありません。

どちらも命を繋ぐ大切な方法の一つです。

ですが、どちらにも良い面、大変な面があるのも事実です。

体の状態や、本人の望む生活スタイルを考えながら決められると良いのかなと思います。

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