【性教育】どこまで知るのが正しい?スウェーデンから学べること

北欧/スウェーデンに学ぶ性教育

その他「性」全般について

生理痛を理由に仕事を休んだり早退することは可能ですか?

はい、可能です。

生理痛は「他のけいれん/痛み」として捉えます。
何か悪いものを食べたりして腹痛が生じる時と同じように、生理痛でも給料はそのままで家で休むことが出来ます。

また、これらのことが定期的に起こる場合、上司は医師の診察を受けることを勧めることが一般的です。

定期的に発生するあらゆる種類の痛みは病気の危険もあり、放置するのは危険だという認識です。
なにも特別なことではありません。

理解が進んでいるなと思いました。

日本だと、「生理痛ぐらいで…」という認識が一般的で、鎮痛剤を飲んで痛みを誤魔化して仕事をするのが当たり前。

痛みも症状も一人ひとり違うのに、人が動けているから私も…と無理をして、症状を悪化させてしまうこともあると思います。

また、上司が男性であることが多く、申し出をしにくいというのもありますね。


性の悩みを、友達と話すことはありますか?

はい。
でも、それは人によるかもしれません。

私は、男友達、女友達両方と話したことがありますが、安心できる関係性や、話しやすい環境である必要があるので、全てを話せるわけではありません。

今の時代、多くの人々がインターネットで自分の性的な問題について検索するのは、その方が簡単だし、匿名だし、より速いからだと私は感じています。


初めて射精を経験した時、親に相談しましたか?

私から親にそういう話は一度もしたことはありません。

しかし、私が子供の時、両親は私とセックスについて話し、情報を与えてくれました。

私が、信頼する他の大人とセックスについて話すことができることも教えてくれました。


昔、日本では、女の子が初潮を迎えると、赤飯を炊いて家族で祝う風習がありました。(現在は行われていません)
スウェーデンにも「性」に関する風習があれば教えてください。

今の時代はもうありません。

でも、昔、スウェーデンのキリスト教徒が、13歳になる思春期の子供たちのために、プレゼントを用意して誕生日パーティーのようなお祝いをしていました。


日本では、性雑誌が当たり前に売られています。
スウェーデンではどうですか?

私が小さかった1990年代は、小さな店でこれらの雑誌をよく見かけました。
私も他の若い子たちも当時は憧れていました(笑)

でも、性的な雑誌はもう何年も見たことがない。

恐らく流通はしているんだろうけど、インターネットで見る方が簡単で安価なのでより一般的です。
結果として、生産者の収益性が低下して雑誌市場が小さくなっているんだと思います。


(水着姿のアイドルが表紙の雑誌の画像を見せて)性行為などの描写を含まない、このような雑誌はどうですか?

水着はあります。
でも、男性向けとしてだけではなく、女性向けとしても一般的です。

ビキニの女の子は、暖かな休日について書かれた本であることや、主人公が女性であることを示しているだけかもしれない。

なるほどと思いました。

日本人は普段から肌をなるべく出さないようにする傾向があるので、「水着」に対する捉え方の違い関係しているのかもしれませんね。


日本の若者は、親に内緒で手に入れたアダルトビデオや性雑誌をベッドの下に隠したりします。スウェーデンの男の子も同じことをしますか?(これは単純に興味本位聞いてみまし)

私は手にした経験がないし、もうそれらを店頭で何年も見ていませんが、もし手元にあったら彼らは隠すかもしれませんね(笑)

そういえば、何人かの親がそれらを子供に見せて、資料として使用していたのは見たことがあります。

親が教育のために使うとは驚きました。

そういう使い方も出来るんだな…と新しい発見でした。


日本では、異性の親(父と娘、母と息子)と一緒に入浴するのが一般的です。
スウェーデンではどうですか?

どのくらい一般的かはわかりませんが、10歳未満の男の子と女の子がいる家庭では、スウェーデンでもよくあることだと思います。


幼稚園や学校で着替える必要がある場合、男女で更衣室は分かれていますか?

スペースによりますが、幼稚園では、男の子と女の子は更衣室を共有しています。

学校では、6歳からスポーツ活動があるので、更衣室は少なくとも2つのスペースがあり男女で分かれています。(1つは男の子用、もう1つは女の子用)


日本では、男性が性被害に遭ったことを訴えることが限りなく少ないです。(恥ずかしさがあったり、性被害の相談窓口も知らない。)
スウェーデンではどうですか?

スウェーデンも似ていますが、近年は、ニュースやドキュメンタリーで、被害を受けた男性の話題が取り上げられるようになりました。

男性が女性をレイプする時、通常、暴力でそれを行います。
女性が男性をレイプする時、通常、自分の言葉を使います。

女性は通常、自分が犯罪者(男性)より弱いことを比較的容易に受け入れることができますが、男性が女性よりも弱いことを受け入れるのは難しい。

相談したくても出来ない理由があるんだと思う。


性的虐待に対する罰則は?
裁判は必要ですか?

はい。
通常は数カ月~数年は刑務所に入ることになります。

でも、どれだけ強力な証拠があるかによります。
言葉と言葉の戦いになると、判断するのが難しい時もあります。


スウェーデンの離婚率と性的暴行の数字に関係はありますか?

アジアの文化では、例えお互いの生活がうまくいかなくても結婚生活を続けると思うが、

私たちの文化では、離婚するのはお互いを愛せなくなったり、大きな問題で意見が合わなくなったり、口論が多くなったりした時にすること。

特に悪いことだとは思っていません。

確かに、日本だと、子供のために夫婦関係を継続する方も多いですよね。

日本では、離婚を「バツ(×)が付く」と表現することもあり、仮に前向きな離婚だったとしても、世間的には人生に失敗したような印象がどうしてもあります

スウェーデンでは、そもそも結婚しないことも多かったり、離婚しても様々な権利が男女平等に与えられていることなども要因としてあるのかもしれません。


日本では、男性が性関連の薬を飲むことはまだ一般的ではなく、勃起不全などの悩みがあっても相談にいけない方もいる。
スウェーデンの男性はどうですか?

ここでも昔はそうだったかもしれない。

伝統的に、男性は誇りを持ち、弱さを見せてはならないと考えるものです。
そのため多くの男性は、自分の体に「欠点」があると男らしさを失うような気がして、自分を試すことを恐れてきたのだと思います。

しかし、現代のスウェーデンでは、今は「男らしさ」と「女らしさ」の境界線が曖昧だ。

それに、スウェーデンの男性は一般的に、自分を試すことに寛容だから、必要ならほぼ女性と同じ程度に検査や投薬を受け入れるんじゃないかな。

ここの人々は、セックスするために薬が必要でも、子供ができなくても、彼らを男として低く見たりはしないからね。


日本では、子どもと接する職業に携わる人による、子供への性的暴行が増加しています。
スウェーデンでは、性犯罪の逮捕歴があったり、小児性愛者などが子どもに関わる仕事に就けますか?

理論的には、犯罪を犯して刑務所に入れば、もはや犯罪者ではなくなります。

もしあなたが教師で、児童に対する性犯罪を犯したとしても、刑期を終えれば再び児童のために教えることができる。
あくまで理論的にはね。

でも現実には、学校は教師を採用する前に警察の記録を調べます。
児童に対する性犯罪の履歴があれば、むしろ他の人を雇うでしょう。

娘がいる親としては、このように警察の記録を調べられたら安心できます。

日本版DBS導入の行方を注視したいと思います。

就労時の性犯罪歴調査
英国子どもの心身に障害を与える犯罪などは無期限でデータベースに掲載
フランス教育などの資格取得審査を担当する行政職員が事前に許可を求め、データベースにアクセス可能
ニュージーランドデータベース掲載は無期限。教育機関などは安全性調査を受けたか確認せずに雇用してはならない
スウェーデン子どもと接する職種に就こうとする者に警察庁発行の犯罪歴証明書提出を義務づけ
フィンランド保育、教育などに従事しようとする者は自ら、犯罪歴証明書の発行を申請して提出
オーストラリア州によって制度が異なるが、子どもと関わる仕事に就く場合は無期限にデータベース掲載
教員や保育士の性犯罪歴をチェックする「日本版DBS」とは こども家庭庁が導入へ 対象の職種は? 他国では? | 東京すくすく | 子育て世代がつながる ― 東京新聞 (tokyo-np.co.jp)

インタビューは以上になります。

ここまで読んでどう感じましたか?

ここまでやらなくても…と感じる部分もあったかもしれませんね。

捉え方は人それぞれでいいと思っています。

きっとスウェーデン国内でも、様々な意見があると思います。

いいことだけではなく、問題点もあることでしょう。

スウェーデンと日本を、単純に比較できるものでもありません。

でも、ひとつだけ、確実に言えることがあります。

それは…

日本人は知らなすぎる

性について話すことや、性について知ろうとすることは、恥ずかしいことではありません。

性について学ぶということは、自分の体を知るということ。

命の大切さを知るということ。

結果として自分を守るだけでなく、友人や愛する人をも、理解・守ることに繋がります。

大人が、セックスを「恥ずかしい」ことや「はしたないもの」として扱えば、子供が自分の存在価値を否定することにも繋がり兼ねません。

この記事が、少しでも「性」について考えたり、我が子の通う学校ではどんな性教育がなされているのか関心を持つきっかけになったら嬉しいなと思います。

いつか、「性」について話せる場(オンライン)を設けてみたいな…とも思っています。
その際は、ぜひ参加してもらえたら嬉しいです。

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