ダブルケアに必要な備えとは⁉防災について考えよう

ダブルケアの防災

東日本大震災から今年で12年。

3月11日は、東北だけではなく、日本全体にとっても特別な日。

東日本大震災のみならず、阪神淡路大震災・熊本地震・北海道胆振東部地震などの、これまでに起きた災害によって亡くなられた方々に対し謹んで哀悼の意を捧げるとともに、ご遺族の方々にお悔やみを申し上げます。

生きている私たちにできること。

それは、

今、この瞬間を、精一杯生きること

そして、

大切な命を一つでも多く守れるように備えること

だと思っています。

防災

地震大国と言われる日本。

先に書いたように、いつの時代にも常に記憶に残るような大きな地震に見舞われてきました。

さらに、首都直下地震や南海トラフ巨大地震は、70%以上の確率で30年以内に発生するとも言われています。

そして近年は、地震以外の自然災害、特に大雨による被害も多くなってきています。

過去の自然災害(地震以外)

どれも記憶に残る、大きな災害だったと思います。

他にも、災害とまではならなくても、猛烈な台風や豪雨で眠れぬ夜を過ごしたり、ヒヤッとした経験がある方も多いのではないかと思います。

本来ならば即座に避難すべき時に避難できなかったり、避難のタイミング・避難の場所の判断が難しいのが、介護や育児中の家庭、そして、ダブルケアの家庭です。

万が一の時、どのように行動すれば子供と高齢者、そして自分の命を守れるのか、真剣に考えていかなければいけないと思っています。

資料の更新

手元にあるハザードマップや防災に関する資料は、いつ発行されたものでしょうか?

土地開発なども進み、地形や道路が変わっていることもあります。

古くなっているようであれば、ホームページからダウンロードしたり、窓口で最新のものに差し替えましょう。

また、近年は、気象庁が出す警報の形態も変化していますので、自分はどの情報がでたら避難準備をすべきなのかを予め確認しておくのも大切だと思います。

自分と地域の状況を知る

まずは、自分の家の状況や、住んでいる場所はどんな場所(土地)なのか、そして、周囲にどんな危険があるかを把握することが大切だと思います。

周囲の状況を把握すると、どんな時に避難の必要があるのかが見えてきます。

建物が古い

地震による家屋倒壊により避難が必要になる可能性あり

建物が密集している

地震発生後、他人の家で起きた火災などに巻き込まれてしまう可能性あり。
自分の家に被害がなかったからといって安心せず、後から避難が必要になることも想定しておく。

海が近い

津波から逃れるために、家屋に被害がなくても高台に避難する。

川・水路が近い

海から離れていても、津波が川を遡上してくることを考慮し、津波警報や注意報が出ている時は避難を検討する。
また、台風や豪雨の際も、水位が上昇する前に避難をする。

崖が近い

地震・台風・豪雨、いずれも被害を受けることが想像できます。
天気予報を確認すると共に、土砂崩れの前兆が見られたら早急に崖から離れた場所へ避難。
状況的に避難が難しい時は、自宅内で安全な場所へ。(避難所・自宅避難どちらの想定も必要)

土地が低い

ゲリラ豪雨や線状降水帯などにより、浸水被害が発生し避難所生活を余儀なくされる可能性も。

他にも、3.11の時に、液状化現象というのがありましたが、埋め立て地などは液状化が起こりやすいと言われています。

仮に、建物が免振・耐震構造で海・川・崖なども近くにない、という場合でも、この液状化による地盤沈下で家屋が傾いて住んでいられなくなり、避難しなければいけなくなる可能性もあります。

宅地造成される前の状態が、田んぼや沼地だったりするケースだと、住人にはどうしようもありません。

マイホームを購入の際、昔はどんな土地だったのかを確認することも大事になってきそうです。

避難経路の確認

避難所までの避難経路は把握している人が多いと思います。

が、本当にその道は安全でしょうか??

というのも、避難経路は基本的に徒歩移動を前提として決められています。

普通に歩ける人が、普通に歩いて避難するならおそらく何の問題もない道ですが、段差や道幅、舗装状況によっては高齢者や車いすがスムーズに通れるとは限りません。

歩行に困難さがある高齢者や幼児では、つまずいて転倒したり、歩きにくく避難に時間がかかってしまう場合も考えられます。

そもそも、大雨により道路が冠水していると車いすやベビーカーを使って避難することは困難ですね。

また、津波避難だと高台が基本ですが、

車いすのまま高台へ行けるのか

階段や坂道をどの程度までなら高齢者が自力で登れるのか、も大事なポイントだと思います。

平常時に、実際に避難経路を歩いてみることや、万が一に備えて迂回路を見つけておくことも必要だと感じます。

基本の備え

防災グッズ

最近は、付属されているカバンがリュックだったり、背負わないスーツケースだったり、子供でも背負える軽量のものなど様々なタイプが販売されています。

私は、セットされているもの以外に、適宜、バラで購入してカバンに詰めています。

\家族の状況に応じて選ぼう/

非常食

通常食

家族の人数、状況により、必要な物や量は変わってくると思います。

アレルギーに関しては、自治体で備蓄している非常食がアレルギー対応しているかどうかの判断が難しいところだと思いますので、各家庭で準備する必要があるように思います。

私は、普段から食べ慣れているお菓子や野菜ジュース・水などを、少し多めに購入してローリングストックするようにしています。

\栄養面を考えた非常食/

介護食

介護食が必要な場合、常温保存可能な市販の介護食を準備しておく必要があるかもしれません。

避難所で配布される食事は、一般的な咀嚼機能がある方向けのものがほとんどでしょう。

また、非常時に食べられるように、日頃から市販品に食べ慣れさせておくというのも大事かもしれません。

偏食対応

発達障害などで食への特別な拘りがある場合も、注意が必要です。

娘は感覚過敏からくる偏食で、決まった物しか食べられません。

非常時とはいえ、一般的な非常食はほぼ食べることが出来ません。

以前、非常食の乾燥米をお湯で戻しておにぎりにしてみましたが、吐き出してしまい食べられませんでした。

なので、パックご飯(さ〇うのご飯みたいなの)を箱買い・常備して、日常でも定期的に使用するようにしています。

これなら、非常時でも、カセットコンロで沸かしたお湯で湯煎して暖かいご飯でお腹を満たすことが可能です。

非常時のための非常食なのに、非常時に食べられないのでは意味がありません。

『防災の日』だけではなく、なんでもない時に、非常食を食べる機会を設けると良いと思います。

介護用品・子供用品

非常時には、オムツや薬、医療品は病院や指定避難所へ優先的に支給されると思っていた方が良いでしょう。

在宅介護や医療ケアで必要なケア用品が不足することがないよう、日頃から多めに備蓄しておくことが必要だと思います。

オムツはなんなら自分たちも使えますので、未開封のものがあるように在庫を調整しています。

医療器具の消毒に必要なアルコール綿や塩素系消毒液、ケア時に必要なプラスチック手袋は特に供給が不足しやすいので、常に余裕をもって用意しています。

おしりふきも、水が使えない時の陰部洗浄や身体清拭に使えますので、余分にあって良いと思います。

その他

防災グッズを車にも積んでおく

3.11の時に、帰宅難民が問題になったこともあり、最近では帰宅困難者を受け入れる体制が整いつつあります。

しかし、車で移動している最中に災害に巻き込まれたら…?

迂回して自宅へ帰ればいいじゃないか、と思うかもしれませんが、災害時はどこでどんな被害が発生しているかわかりません。

特に、千葉県は山道が多く、倒木・土砂崩れ・亀裂などがどこで起きてもおかしくありません。

なんとしてでも家に帰らないと!!と、無理して帰ろうとすることは、必ずしも良い行動とは限りません。(特別な理由があれば別ですが…^^;)

避難所が開設されるような規模の災害であれば、今いるところから最寄りの避難所へ歩いて行ったり、安全な場所に車を止めて車中泊をして様子をみる方が安全な場合もあるのかなと思っています。

よくある一人分の防災セットと以下のようなものを車に積んでいます。

  • 履きなれたスニーカー
  • ひざ掛け、ハーフサイズの毛布
  • ジャージなどの動きやすい服
  • オムツ(子供がオムツを使用していた時)

ポータブル電源

停電した場合に備えて、ポータブル電源を購入しました。

下の商品を購入したのは数年前。

楽天市場で45,000円前後だったように思います。

今見てみたら多少値上がりしているようでしたが、楽天ポイント、クーポン、セールなどでいくらか安く買える時があるので、そういった際に購入してみてはいかがでしょうか。


Jackeryポータブル電源 400 Jackery Solar Generator 400 大容量112200mAh/400Wh 家庭用蓄電池 PSE認証済 純正弦波 AC(200W 瞬間最大400W)/DC/USB出力 車中泊 キャンプ アウトドア 防災グッズ 停電時に 非常用電源

これで、スマホの充電はもちろんのこと、扇風機も動きました。

また、介護ベッドのギャッジアップ・体圧分散のマットレス・痰の吸引機も動きましたので、これで最低限、母の体調管理は可能です。

真夏だと扇風機ではどうにもならないと思いますが…それはもう割り切るしかないですね。

残念ながら、このサイズだと、熱を必要とする家電(レンジやポット)は負荷がかかりすぎて利用できません。

とはいえ、万が一の備えとして家庭で持つには、これで十分かな、とも思っています。

これより小さいとスマホの充電くらいにしか使えず、自宅避難を想定している我が家では使い物になりません。

ちなみに、一つ大きいサイズになると8.5万円。こちら(↓)なら、熱が必要なものにも使えるようですが、なかなかに高価です。

アウトドアやキャンプが好きな方でしたら、普段使いも出来るので思い切って購入するのも有り…??


Jackery ポータブル電源 708 Jackery Solar Generator 708 大容量191400mAh/708Wh 家庭用蓄電池 PSE認証済 QC3.0急速充電 純正弦波 AC(500W)/DC/USB出力 家庭用 発電機 車中泊 キャンプ アウトドア 防災グッズ ピクニック

私は、今後、対応したソーラーパネルを購入したいな思っています。(いいお値段するのでなかなか購入できずにいます…)

ダブルケアの防災への影響

避難が難しい

ケアが必要な子供や高齢者と、その家族を同時に、安全に、避難所まで誘導することは簡単ではありません。

赤ちゃんなら抱っこが基本ですし、1,2歳なら一人で正しく歩くことも困難で手を繋ぐ必要があるでしょう。

幼稚園児ほどなら自分で歩いてくれるかもしれませんが、適切な行動が確実に取れるとは限りません。

発達障害がある場合、いつもと違う緊迫した雰囲気に対応できず、怯えて逆に動けなくなってしまうこともあるかもしれません。

そこにプラスして、高齢者です。

高齢者にとっても、歩くことはできて当たり前のことではありません。

子供のように抱きかかえたりおんぶをして避難することもよっぽど体格の良い方でなければ不可能です。

車いすがどこの家にもあるわけでもありませんし、仮に車いすがあったとしても、子供がいる状況でさらに車いすを押して避難することは簡単ではありません。

結果、ダブルケアの状態での避難は非常に困難を伴い、非現実的なものであると思っています。

一輪車やリアカーなどで高齢者を避難させるという取り組みをしている地域もあるようですが、全国的にみて、高齢者の避難について考えられている地域はまだまだ少ないのではないかと思います。

防災

医療ケア

避難時にはお薬手帳を持っていくように、とよく言われていますが、日常的に医療ケアが必要な場合、避難所でそれらの対応がどこまで可能なのでしょうか。

酸素や呼吸器が必要な方はより深刻な問題でしょう。

私の母は、尿道カテーテルの管理、胃ろう部の消毒や痰の吸引を怠れば結果的に体調悪化へと繋がりやすいです。

また、医療ケアとまではいかなくても、介護が必要な人の中には、おむつ替えや摘便(てきべん)などの処置が必要な人がいます。

交換時は下半身をさらけ出さなければいけませんので、そのための個室が確保されている必要があります。

オムツはかさばるのでゴミも多く出ます。尿や便を含むものですので、当然臭いもあります。

衛生面を考えれば、集団が生活する場ではあまり良いものではないでしょう。

こう考えると、身体ケアが必要な場合の避難はクリアすべき課題がとても多いように思います。

福祉避難所の利用

各県には、【福祉避難所】が設置されていますが、どこにあり、どんな人が、どんな時に利用できるかまで事前に掲示されている自治体は少ないのではないでしょうか。

緊急時に利用したくて自治体に問い合わせても、電話が繋がるとも限りません。

混乱の中で回答をすぐにもらえない場合も十分に考えられますので、事前に問い合わせて確認しておく必要がありそうです。

福祉避難所への避難が必要かどうかを見極める医療チームのようなものがあり、避難所に派遣されたりもするようですが、あくまで【避難所にいる人】が対象です。

自宅避難を続けている人への支援や配慮は現時点で想定されていないように思います。

環境の変化に対応できない

災害時なんだからつべこべ言わずに言われた通りおとなしくしてなさい。

と思われるかもしれませんが、それが難しいのが、認知症の高齢者や、知的障害、発達障害の子供たちです。

『いつもと違う』ことを受け入れるまでに時間がかかったり、受け入れられなかったりします。

ケアが必要な人、ケアをする人、どちらとも心身への負荷がかかることは容易に想像できます。

であるならば、避難所へ行くよりも、少しでも日常を感じられる自宅にいようかな…という判断に至ることもあるでしょう。

かといって、自宅避難が必ずしも安全かというと、それにも疑問が残ります。

先に言ったように、避難所へは情報や物資が届きますが、自宅避難者までは行き渡らない可能性があるからです。

面倒だから避難しない、のではなく、したくでも出来ない状況だから自宅に留まるしかない、というケースがあることを知って欲しいなと思います。

過去、豪雨による浸水被害によって、介護施設で逃げ遅れた高齢者が犠牲になるニュースも見かけることもあります。

介護のプロでしても、ケアが必要な人を避難させることは困難を極める、ということだと思います。

自治体ですべての状態をカバーするのは無理だとしても、ただ避難場所や避難経路を提示するだけではなく、様々なケースを想定し、可能な限り広範囲でカバーできる防災計画・避難計画が今後は必要になってくるのではないでしょうか。

我が家は、寝たきりの高齢者と発達障害の娘がいます。

シングルマザーなので、基本的に私一人で避難対応をしなければなりません。

上記に書いたような理由から、避難指示が出されたとしても、避難所へは行かず自宅避難のつもりで備えをしています。

ですが、それも限界があります。

出来ることをしても、切迫した状況であるならば、私は、

【母を見捨て娘と避難する】

もしくは

【3人とも犠牲になる】

という究極の選択をしなければなりません。

母を見捨て自分と娘の命は助かっても、その後、一生後悔する気がします。

かといって、未来がある娘の命は守りたい。

そして、出来ることならば、3人とも生きたい。

そういった事態にならないのが一番良いですが、災害はいつやってくるかわかりません。

必要以上に怖がることは不安を煽るだけですが、危機意識を持ち、備えて減災に繋げていくことは大事だと思っています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました