※この記事は、過去記事のリライト版です。
介護が必要になっても、
病院や施設が最適と思われる医療が必要になっても
可能な限り住み慣れた自宅で過ごしたい
そう誰もが願うと思います。
そんな時に頼りになるのが、
看護小規模多機能型居宅介護
(通称:看多機)
です。
医療度の高い介護者の在宅介護において、そして、ダブルケア世帯において、この看多機が強い味方であることは間違いありません。
看多機の特徴
看多機は、医療ケアが必要な方の在宅生活を支援するためにつくられました。
退院後の不安定な時期はもちろん、看取り支援も行っています。
そして、利用するサービスの多くを、一カ所でまとめて契約・提供してもらうことが可能です。
※福祉用具など別途契約が必要なサービスも有ります
複数の事業所を探し、それぞれで契約手続きが必要になるところが、看多機なら一つの事業所を見つけて契約手続きをすれば終えることが出来ます。
ダブルケアで、小さな子供がいる状態での、細々した手続きは地味に時間がとられて負担になるものです。
一カ所でまとめてもらえると、書類も一度の記入で済み、なにより、母の状況を全ての職員が把握してくれている安心感があります。
但し、誰もが自由に
利用できるわけではありません。
看多機を利用するためには、
看多機がある市町村に住民票がある
(住民票が登録されて〇ヵ月以上経過していないとダメという制限がある場合も)
要介護1-5の認定を受けている
(要支援の方は利用不可)
という条件をクリアする必要があります。
地域密着型サービスとも呼ばれ、隣接する他の市町村からは利用することが出来ません。
大網白里市は、住民票が登録されてから3か月以上経っていることが条件でした。
母は千葉市から転居してきたばかりだったので、3か月経過するのを待ってからの利用でした。(その間は、老健を利用)
看多機のメリット
安心感
やはり、顔なじみのスタッフ、慣れた場所で過ごせることです。
高齢者の方は、新しい場所などに抵抗を示すことが多いと思います。
いつもの場所・いつものスタッフということが安心感へと繋がり、様々なサービスを利用しやすくなるのではないかと思います。
特にショートステイは介護者にとっては非常に有難いサービスで適宜利用したいものです。
しかし、当の本人が拒否して、利用したくても出来ないケースもあると思います。
看多機であれば、デイサービスで慣れた場所なので、いつものデイへ行く感覚でショートステイを利用できるかもしれません。
また、これは、預かる施設側にとっても、利用者の体調を知り尽くしているというのは安心して迎え入れることができるのではないかと思います。
看護師が常駐
「看護」と名がつくだけあって、医療行為がいつでも受けられる体制が整っているというのが大きな特徴です。
デイサービスはどの地域にも数多くありますが、医療ケアが必要な場合、そのほとんどは利用を断られます。
医療ケアが必要なくても、服用している薬によって、断られることもあると聞きます。
その点、看多機は、家に居る時も、デイに行っている時も、泊っている時も、安心してお任せすることが出来ます。
24時間看護師との連絡が取れる体制がとられている場合、夜間の急な体調不良にも相談することが出来ます。
利用者の人数が少ない
登録定員は最大29人(デイは18人、泊まりは9人まで)と決められています。
少人数の利用者なので、職員の目が行き届きやすく、きめ細やかなケアをしてもらえます。
料金が定額制
看多機は、利用料金が定額制(介護度による)です。
食事代やオムツ代など自費分は別途ありますが、基本部分は固定なので、毎月の費用がわかりやすいです。
収入が国民年金しかない母ですが、無理なく毎月支払えています。
↓実際の料金は、こちらに記載しています。
定額制なので、利用が週1日でも週5日でも、料金は変わりません。
※介護度による
※保険外サービス分は別途必要です。
デイの利用頻度が多い方にとっては有難いシステムだと思います。
看多機のデメリット
個人的にはメリットしかなく、デメリットを感じたことはありません。
が、いくつかあげるとすれば…
ケアマネジャーの変更
通常は、利用する施設が変わっても、ケアマネジャーは変更しない限りは継続して担当してもらえます。
しかし、看多機に関しては、専属のケアマネジャーが存在しますので、他施設から看多機に移る場合は、ケアマネジャーの変更が必要です。
希望日が通るとは限らない
少人数であるが故、急用で利用したくても空きがない場合があります。
絶対にこの日!というものは、1か月以上前に希望を出したり、日程を決める前に空きを確認した方がいいでしょう。
6年間利用して…
デイサービスは数多くあれど、医療度の高い人が利用できるデイはそう多くありません。
少なくとも、私は、この看多機でなかったら、今のような穏やかな在宅介護は存在しなかったと思います。
母がデイサービスへ行った日に子供が熱を出して、そのまま母をデイに泊めてもらったこともありました。
母が体調を崩せば、早朝でも、夜間でも、看護師さんが電話で的確な指示をくれるので、慌てず対応できます。
コロナ禍、他のデイサービスで利用中止が相次ぐ中、一日も休むことなくサービスを提供し続けてくれた職員の皆様には感謝しかありません。
6年間、ずっと同じスタッフにみてもらえたことは、とても幸せなことだと思います。
看多機が、その他の施設と比較して良いとか、他が悪いとかそういうことではありません。
しかし、医療度の高さから在宅介護を諦めようとしている人にとっては、大変心強い存在であることは間違いないと思います。
在宅介護において、
そして、ダブルケアにとっても
チームで支える力
が必要不可欠だと私は思っています。
看多機は、特に、この「チーム力」を発揮しやすいと感じます。
ひとりじゃない
相談できる人がいる
助けてくれる人がいる
その安心感は、介護生活にとって非常に大きな心の支えとなるのではないでしょうか。
コメント