先日X(twitter)にて、偶然見かけたこちらのポスト(ツイート)↓
これを見た時に、私が母のアパートを退去した時のことを思い出しました。
避けては通れぬ“家問題”について、誰かの参考になればと思います。
アパートの退去手続き
母が倒れた時に暮らしていたのは、ワンルームのアパート。
母のリハビリ病院での入院期間は最長の半年間。
自宅か施設かは決めていませんでしたが、半年後、仮に杖を使って歩けたとしても、アパートでこれまで通り一人暮らしをすることは不可能に等しいだろうな、と感じました。
であれば、アパートの家賃を払い続けることは無意味だと判断し、倒れて1か月もしない内に解約手続きを進めました。
アパートの管理会社に連絡をして、事情を説明。
本人が立ち会えない状態で、家族が代理で退去手続きしたいことを伝えました。
すると、思いもよらぬことを聞かれました。
ご本人様が倒れたのは室内ですか?
存命ではあるのですよね?
ん?なんだ、この質問?と不思議に思ったのですが、室内で亡くなっていた場合、特殊な清掃を入れないといけないケースもあるのだそうです。
いわゆる、事故物件に該当するかどうかを確認したかったようです。
もちろん今回は事故物件にはなりませんが、高齢者の独り暮らしは何かと心配が尽きませんね。
業者探し
さて、退去することは決まったものの、ここからが本題。
部屋の荷物をどう片付けたらいいだろうか…と途方に暮れます。
ワンルームとはいえ、2歳の娘を連れて、部屋の片付けはなかなか難しい。
でも退去日までに部屋を空っぽにしなければいけない。
かといって手伝ってくれる人もいない。
これは……もう、お金で解決するしかない!とネットで遺品整理業者をいくつか検索し、問い合わせ。
事情を説明すると、本人が生きていても利用できるというので、お願いすることにしました。
ちなみに、千葉の田舎に対応している遺品整理業者はそもそも数が少なかったので、比較することなく決めましたが、利用可能な会社が複数ある場合は、事前に見積もりを取ることをオススメします。
事前打ち合わせ
事前打ち合わせは、メールと電話で行いました。
引っ越し業者を利用したことがある方は大体それと同じと思ってもらっていいと思います。
注意が必要なのは、書類は家族が確認した方がいいということ。
引き出しに通帳が入ってたとかであれば、業者の方も声をかけて下さるそうですが、書類の山を一枚一枚確認することはありません。
紙くずとして、ごそっと廃棄となりますので、万が一その中に、通帳や保険証、年金手帳、株の証券、マイナンバーカードなどが入っていると、もう取り戻すのは不可能だと思っていた方がいいでしょう。
日記や特別な写真、現金(へそくり)などが見つかることもあるので、小さな引き出しや本棚、カバンの中見などはザッとご家族が確認するのがいいと思います。
特に、銀行の封筒。
あれは一通ずつ中身を確認した方がいいです。
大半は空っぽだと思いますが、ごく稀にお札が入ったままの封筒があることも。
実際、母の部屋からも、1万円札が入ったままの封筒が2,3通見つかりました…。
作業当日の様子
若い男性2名が、時間通りにアパートに来訪。
どんな人が来るのかわからず不安だったのですが、名刺と共に丁寧な挨拶からスタート。
2歳の娘にも、腰を低くして声をかけて下さり、とても印象が良かったです。
挨拶を済ますと、すぐに作業に取り掛かりました。
家具、家財、どんどん部屋から荷物が運び出されていきました。
この時、私がしていたことは、娘の相手をしながら郵便物など書類の整理くらい。
私がお願いした遺品整理業者は、冷蔵庫の中身や使いかけの調味料、洗剤なども分別して廃棄してくれました。
これ、地味に嬉しくないですか?
油や調味料、洗濯洗剤やシャンプーなどは、使いかけのままゴミに出すわけにもいきません。
かといって、一つ一つ流しに捨てるのも環境的に良くないでしょう。
処分方法に迷ったり、手間取ったりすれば、それだけで時間がかかってしまうので、まるっとお任せできるのは本当に助かりました。
最後は、引出しを一つ一つ開けて確認して作業終了。
2時間ほどでワンルームが空っぽになり、午前中だけで終えることができました。
おとなしく過ごせた娘と、帰りにファミレスでランチをする余裕もあり、子連れでのアパート退去を無事に終えることが出来たのでした。
女性だけでこういった業者に依頼したり、立ち会ったりするのは多少の怖さもありますが、幸い、とても良い業者さんで良かったです。
かかった費用
最終的な支払い額は6万円。(リサイクル料金は別)
トラックの荷台満杯で10万円で、実際に何割使用したかで料金が変わるのだそうです。
母の場合は、6割程の使用だったので、6万円。
シンプルな計算方法ですね。
聞けば、平屋だと30~50万。
2階建てだと100万円も普通だそうです。
物を溜めるタイプの人は要注意です。
計算方法は業者によって違う可能性がありますので、あくまで参考程度にお考え下さい。
親亡き後の”家問題”
母は賃貸アパートだったので、退去するだけ済みました。
が、持ち家の場合そう簡単にはいきません。
人が住まなくなった家は、劣化の速度も速くなると言われています。
遅かれ早かれ、なにかしらの決断をする必要が出てきます。
古民家ブーム、とはいえ、よほどの物件でなければ早々買い手はつきません。
買い手がつくまでは、メンテナンスも必要です。
維持するにしても、解体するにしても、”費用”はかかってしまいます。
トタンがはがれたり、瓦が落ちたり、野良猫やねずみなど野生動物の住処になったりすれば、隣近所に心配をさせてしまうかもしれません。
他にも、定期的に郵便ポストを確認したり、自治会/管理組合などの細々したこともあるでしょう。
いくら自分が亡くなった後のためにと家族に遺産(現金)を残したとしても、
片づけに数百万円。
さらに、解体に数百万円。
となったら、それだけでプラマイゼロ……なんならマイナス…という場合もあるかもしれません。
それこそ『ピンピンコロリ』を望むのであれば、〈住まい〉についても、残された家族が困らないように整えておくことが、何よりもの優しさなのかなと思います。
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