良く食べ、良く寝て、良く遊ぶ
という言葉。
誰もが一度は見聞きしたことがあると思います。
特に子供のイメージは、言葉のまんまだと思っていました。
でも、子供なら当たり前に出来るようなことが、当たり前じゃなくなることがあります。
心の不調がきっかけとなり、出来なくなってしまった【当たり前な日常】について書いてみようと思います。
食べれない
食事の量が減ってしまって…心配…。
もともと、偏食で食べれるものが少ない娘。
それが、不登校になってからは、食べる量そのものが減りました。
顕著だったのが、朝ごはん。
それまでは、パンやご飯をしっかり食べていたのが、ゼリーや水分だけになりました。
不登校になって2年、今もまだ朝ごはんは食べられません。
どう対処してる?
【1日3食】という考えを捨てました。
『朝の栄養は大切だから』
『12時だから』
とかではなく、
お腹が空いたら食べればいい。
そう思うようにしたら、
『食事を食べれなくなってしまった…』と私自身が悲観的に考えることがなくなりました。
最近は、わずかなバナナ豆乳しか飲みませんが、10時頃になるとお腹が空くようで、パンやおにぎりなど軽食を食べます。
学校に行っていたらこの時間に食事をすることはまず不可能なことですが、逆に、学校に行っていない今だからこそ出来ることでもあります。
”一般的”な方法に拘らない!
世間の方法や一般的な時間軸からズレても気にしない☆
外で遊ばない
就学するまでは、娘は外遊びが大好きでしたが、不登校になってからは、外へ出ることが出来なくなりました。
いくら晴れていようが、公園へ行くことも、庭で遊ぶこともしません。
草や花、鳥などの自然の存在は、娘にとっては凶器のような存在です。
室内の遊べる場所やショッピングモールなどへ誘ったりもしましたが、それも拒否。
ずっと家の中にいて大丈夫なのかしら…
外に出て体を動かさないことが、今後の成長にどれほどの影響があるかは全くわからず、不安が尽きることはありません。
しかし、無理に外に出せば、それもまた心へのダメージが大きい。
『子供は外で元気に遊ぶもの』というイメージが今もどこか拭えずにいるのも事実です。
どう対処してる?
とにかく今は、心への負担軽減を最優先しています。
娘が、『外に出ると気持ちいいね』と感じることはなく、むしろ恐怖でしかありません。
それなのに、『外へ出よう』と誘い、実際に連れ出すことは、
『外に出せたぞ』という、私個人の満足感を得るためだけの行為でしかなかったと気づいたのです。
それからは、晴れていても外へ出ることを促す声かけをやめました。
日中、カーテンを開けて数分窓際で陽を浴びていれば良し!
部屋の中で体を動かしていれば良し!
【出来ないこと】より
【出来ること】に目を向けてみよう!
娘には、【爪や皮膚をむしる】という症状があり、慎重に対応しなければならないなと思っています。(参考:自傷行為をする子どもは少なくない しんどいサインに気づくヒント【児童精神科医監修】)
寝れない
昼夜逆転してしまわないか心配…
そもそも『寝ない子』ではありましたが、心のバランスを崩してからは、ちょっと性質が変わりました。
例えて言うなら、
【学校に行こうとすると怖くなる感覚】
に似ていると思います。
日曜日の夜、翌日の学校のことで不安が強くなるように、夕方頃になると夜に向けて不安が増していきます。
テレビを見ていてもソワソワし、ぬいぐるみを抱きしめたり、『ママ大好き…』が増えたり、爪むしりが始まったり…
そして、【学校に行く準備はしたけど、玄関でうずくまって動けなくなる】のと同じように、歯磨きも終わりいよいよ寝る時間、となると恐怖で布団に入れなくなったりします。
寝れない要因
悪夢
もともと、年長まで夜通し寝たことがありませんでした。
夜驚症になった時期もありましたが、特に娘に大きな影響を与えているのがストレスによる悪夢です。
幼稚園の頃から今でも続いています。
毎晩のようにそんな夢を見ては泣いていました。
そして、子供の頭で考えた結果が、
寝るから怖い夢を見るんだ。それなら寝なければいい!
というもの。
以来、頑なに寝ることを拒否するようになりました。
暗闇への恐怖
娘曰く、目を閉じると同時に、瞼の裏に広がる【暗闇】が怖いと言います。
【睡眠】がどれだけ大切であるかは娘もよく理解しています。
でも、どうしても怖くて眠れないのです。
とはいえ、いくら寝ない!と言ったところでまだ10歳にも満たない子供。
夜更かし出来るほどの体力はなく、自然と眠くなり瞼が落ちてきます。
それでも、ハッと目をあけ『寝るな…寝るな…』と震えながら必死で目を開き続けようとしている娘を見て、私は胸が苦しくなりました。
娘にとって『おやすみ』という言葉は、暗闇で過ごす恐怖の時間がスタートする合図でもあるのです。
どう対処してる?
入眠改善薬【メラトベル】
入眠を助けてくれるお薬を服用しています。
最初に処方された時は、頑なに拒否していた娘ですが、怖さに耐えられなくなったある夜、自ら飲むことを申し出てきました。
そして、薬を飲むとスムーズに眠りにつける、ということを娘自身が実感するようになってから、劇的に睡眠の質が改善されていきました。
今でも、日中に負荷のかかることをした場合は、悪夢の症状が出ますが頻度は大幅に改善されてきています。
薬を服用することは、家族内でも否定的な意見がありましたが、娘には効果があったので続けて良かったなと思っています。
薬に頼るのは甘えじゃない☆
無理に寝ない
メラトベルを飲めば眠れることがわかっていても、恐怖が強く出てしまうことがあります。
そういう時は、布団の中には入らず、布団の上でお喋りや塗り絵、トランプなどをして過ごします。
娘はその間に自分で気持ちを整え、私は『薬を飲んで寝る』と言い出すまで待ちます。
ポイントは
布団から離れすぎないこと。
別の部屋でガッツリ遊んでしまうと、完全に寝ることから意識が離れてしまうので、あくまで、眠れるまでの間だけ遊ぶという感覚です。
去年までは、自分で気持ちを整えることは出来ず、朝の3~4時まで起きていたこともありました。
でも、今は、自分で気持ちを整え、遅くても0時には寝れるようになりました。
寝ることに対する恐怖があることには変わりませんが、その中でも、少しずつ変化・成長していることを感じています。
何も起きなかったことを確認する
娘には、目に見えない『安心』を、実際に体験する経験が必要でした。
そのために実践していることがあります。
それは、朝起きたら、
朝がきたことや、寝ている間に怖いことは何も起きなかったことを確認すること。
これを、毎日繰り返しています。
この取り組みを積み重ねていくことで、いつか、安心して眠れる夜が来るといいなと思っています。
成功体験の積み重ね!
眠る前に怖くならないのが一番。
でも、なかなか難しい。
人間、『考えちゃダメ…気にしない…』と思えば思う程考えてしまうものです。
なので
怖くならないようにするのでもなく、
怖くない!と否定するでもなく、
怖くなってもいい。
でも、大丈夫だよ。
家は安全だよ。
安心していいんだよ。
と思うようにしています。
その他の弊害
お風呂
不登校になった後、入浴中に強い恐怖心に襲われ、吐いてしまったことがありました。
それ以来、約2年程経ちますが、未だに湯舟に浸かることは出来ません。
”お風呂”という言葉や存在が、不安感を生み出すトリガーのようになっており、脱衣所にすら行けないこともあります。
シャワーのみでも、良くて2日に一回。
3日出来ないこともあります。
シャワーも、明るい日中に済ませることが多いです。
習い事
習っていたものは退会し、新しいこともやりたがりません。
学校には行けなくても、習い事なら…と思ったこともありましたが、体調や気分に波があるため、【決まった日に行く】ということが非常に困難な状況です。
予定が入っている、というだけでストレスになるので、習い事に限らず、全ての予定は直前まで入れない、入れてもいいけどドタキャンする可能性も想定していないといけません。
私たち大人は、この『当たり前』の認識・感覚を、今一度、見直す必要があると思っています。
なぜなら、『出来て当たり前なことを出来ない自分は、やっぱりダメなんだ』と子供を追い込みやすく、より深く傷つけてしまうこともあるから。
出来る時もあれば、
出来ない時もあっていい。
出来ないなら、
出来るまで待てばいい。
出来るなら、
出来る間は継続すればいい。
更に言えば、『○年生』『〇歳』という数字ではなく、一人ひとりのタイミングで、一つずつ出来ることを増やしていけばいいのではないでしょうか。
娘は、今、『自分らしく生きるとは…?』という大人でも難しい問題と向き合っています。
そして私も、娘を通して、人が成長すること、大人になること、学ぶこと、自立すること、それらについて日々深く考えさせられています。
いつか娘が、自分に自信をもって前へ進めるように、試行錯誤しながら、失敗を繰り返しながら、親子で一日一日を大切に過ごしていこうと思います。
コメント