オンラインカフェ「ダブルケアと防災」

2/11に「防災」をテーマにオンラインカフェを開催しました。

これが、ダブルケア千葉南として初めて開催するカフェでした。

参加者0人かもしれないよね

そんな当初の予想をいい意味で裏切られる結果となりました。

普段からX(Twitter)で交流のある方だけではなく、はじめましての方も多く、防災への関心の高さを感じました。

耳だけ参加の方も、リアクションで反応してくれたり、コメントを入力してくれたのが嬉しかったです。

顏が見えない人が大半な中で進行することに不安もあったのですが、終始参加している方々の温かさを感じることが出来る時間・空間でした。

運営に関しては至らない点も多々あったと思いますが、なんとか最後までやりきることができホッとしています。

ここからは、なぜ防災をテーマにしたのか、についてお話ししたいと思います。

私が防災について考え始めたのは3.11がきっかけでした。

3.11の時、私は都内の高層ビルの中で働いていました。

地震発生後、高層ビル内で働く人は、ほぼ強制的に避難・退出させられ、会社からは即帰宅命令が出されました。

電車も止まっていて、まだ明るい真昼間の街中に、行き場をなくした大人たちが埋め尽くす異様な光景を今でも鮮明に覚えています。

私が勤めていた会社の入るビルは、あくまで自己責任で残ることが許可されたので、3日間会社で寝泊まりしました。

しかし、帰宅命令が出された会社に勤めていた妊娠中の友人は、赤ちゃんのいるお腹を抱え、錦糸町から板橋区まで歩いて帰りました。

当時、道路を歩く人の写真が話題になりましたが、妊娠中の方があの中にいたと思うと、どれだけ不安だっただろうかと思うのです。

そして、ただ自宅に帰りたい、というだけではなく、保育園、幼稚園、小学校などへ、子供を少しでも早く迎えにいくために必死に歩き続ける親たちも、気が気ではなかっただろうなと思います。

それから私は、自宅での備えを真面目に考え始めました。

しかし、当時、夫に話しても、

任せるよ。

良さそうなの適当に選んでおいて。


と言われるだけであまり関心を持ってもらえませんでした。

子供が産まれてからも、介護が始まってからも、変わらず私一人で備えを考えていました。

まぁなんとかなるでしょ。

避難所もあるしさ。

この当時の夫の認識は、別に間違っているわけではありません。

確かに、特別な配慮の必要のない大人なら、なんとかなるかもしれません。

しかし、我が家は違います。

特別な配慮が必要な家庭であることに、この時の夫は気づいていませんでした。

同じ家族でも、子育てをしている、介護をしている、という当事者意識の有無によって、防災への意識も大きく変わってくることを実感しました。

そして一人親となった今、

私一人で、寝たきりの母と、発達障害の娘を守れるの?!

という新しい悩みが出てきています。

そんなこんなで、

他の家庭がどんな備えをしているのか、
被災した経験がある人はどんなものを備えるのか、

ダブルケア千葉南を立ち上げた当初から、いつか防災に関してみんなで話してみたいと考えていました。

そして能登の地震があったことで、改めて防災について考えることの大切さを感じ、今回のカフェのテーマに決めた、という経緯があります。

そこで協力をお願いしたのが、ダブルケア熊本のくろさきさんと、精神科看護師の野村涼子さんです。

ダブルケア熊本のくろさきさんとは、ずいぶん前から防災について話していたので、今回のカフェを開催するにあたって真っ先に一緒にやりたい!と頭に浮かんだ方でした。

今回、くろさきさん自身の被災経験を話して下さいましたが、話すためには、当時のことを思い出す必要があり、きっとお辛い思いをさせてしまったと思います。

少しでも誰かに伝えられるなら…
役に立てることがあるなら…

そうご協力下さったくろさきさん、本当にありがとうございました!

そして、今回、メンタルケアも取り扱うに至ったのは、私が未だに3.11の津波の映像を見れないことが理由の一つにあります。

正しくは、見れるけど、見ると動悸がしてソワソワしてしまいます。

普段の海を見る時にはない、不快な感覚です。

直接津波の被害を受けたわけでもないのに、10年以上経った今でも映像を直視することができません。

きっと、私と同じような方は多いと思います。

このように、災害におけるメンタルケアの必要性は、なにも被災地に限ったことではありません。

被災地に暮らす親族を思い、離れた土地にいる身内が心に傷を負うこともあるでしょう。

親戚も友人もいないけど、私のようにただただ衝撃的な映像にショックを受ける方もいるでしょう。

大規模災害においては、被災地に限らず、日本全国どこでも誰にでも、心に傷を負う可能性がある。

故に、今回、Xで交流があった野村涼子さんに声をかけさせていただきました。

野村さんは、精神分野の豊富な経験と、深い知見をお持ちです。

それでいてとても話しやすく穏やかな雰囲気なので、ダブルケアラーの心に寄り添ってくれると思い、お願いしました。

お二人とも、二つ返事で「やりましょう!」と快諾して下さり、本当に嬉しかったですし、心強かったです。

お二人の協力がなければ、今回のカフェは実現、成功できなかったと思います。

この場を借りてお礼を申し上げます。

本当にありがとうございました!

100人のダブルケアラーがいたら、
100通りのダブルケアのカタチがある。

ならば、防災も同じように100通りの防災プランがあっていいと思います。

でもそれを一人で考えるのではなく、みんなで意見やアイデアを出し合っていけたら、

よりいいものが出来上がるんじゃないかな、と思っています。

個人的に防災に関しては興味のある分野なので、これからも取り扱っていきたいなと思います。

自然災害は、人間の力で止めることはできません。

でも、ずっと不安を抱えたまま生きるわけにもいきません。

いつ起きるかわからないからこそ、落ち着いて考えらえる時に備えを整えておくことが大切。

そして、備えがある、という安心感が、実際に災害が起きた時に落ち着いて行動できたり、命を守ることに繋がるのだと思います。

このカフェが、各家庭で防災について考えるきっかけになったら幸いです。

参加して下さった皆様、本当にありがとうございました。

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