4月も中盤。
あと2週間もすればゴールデンウイークです。
そろそろ、春のスタートダッシュの勢いが切れてくる頃かもしれませんね。
新しい環境に慣れる大変さに、年齢は関係ありません。
4月は頑張れても、GW明け頃からは本格的に行き渋りや不登校になるお子さんも出てくるのではないかと思います。
そこで、今回は、【適応指導教室】についてお話したいと思います。
どなたかの参考になれば幸いです。
どんなところ?
様々な事情で、学校に通えなくなってしまった子供が通える場所です。
適応指導教室へ行った日は、在籍校の出席扱いになります。
しかし、適応指導教室の存在を、学校から公に案内されることはまずありません。
不登校になっても、学校側から案内されないことも多いと思います。
また、低学年で不登校になる子がいること、そして、その子供たちが通うことを想定していないのか、小学生は対象外で、中学生からしか通えない教室もあります。
娘は、特別支援学級に在籍していますが、支援学級に在籍していると通えない、という自治体もあるようです。
そして、適応指導教室が、学校と別の場所に設置されている場合と、学校と同じ敷地内に設置されている場合があります。
同じ敷地内に設置されている場合、学校そのものへの拒否があると、通うことは難しいかもしれません。
もともとは、学校に復帰することを目的とした場所のようですが、娘が通っていた教室では、学校復帰を意識させるような働きかけは特にありませんでした。
そして、X(旧Twitter)で見聞きする情報の傾向としては、低学年の利用者が少ないということ。
実際、娘の通っていた適応指導教室にも、小学生は娘しかいませんでした。
ほとんどが中学生。
先生方も、通っていた中学生達も、7歳の娘に本当に良くしてくれましたが、同年代の子がいないことはやはり心細かったと思います。
娘は、中学生と接している内に、7歳という年齢故、中学生と同じように出来なくて当たり前のことにすら、劣等感を感じるようになってしまいました。
『私もお姉さん達みたいに…!』と頑張っていたのだと思います。
当時、支援学級では20分くらいしか座って授業をすることがなかったので、中学生と一緒に、50分間、パイプ椅子に座って黙々とドリルをやることは負担を伴うものであったと思います。
結局、長くは続かず、次第に足が遠のいていきました。
学校とどう違う?
各教室によって運営方針は全く違うと思いますが、
共通して言えることは、
学校のようなスケジューリングはされていない
個々のペースを尊重してくれる
というあたりかなと思います。
娘の通っていた適応指導教室のスケジュールは、こんな↓↓感じでした。
娘の通っていた教室では、本人にも保護者にもプレッシャーになる、ということで、出欠連絡も基本的に必要なし。
基本的には、どんなに短くても、先生と顔を合わせればOK(出席扱い)でした。
週5日、毎日来る子もいれば、
数か月に1日だけの子、
午前は学校、午後から適応指導教室へ来る子、
玄関先で挨拶だけしてすぐ帰る子、
利用方法は様々でした。
中学生で不登校だと、出席日数が足りず受験で不利になる…という噂があるので(真偽のほどはいかに…)そのあたりをカバーする目的の場所でもあるのかな、という気がしています。
利用時の決まり事
学校同様、他人に迷惑をかける言動は慎む、華美な服装は避ける、滞在中はスマホは先生に預ける、などの基本のルールはありました。
それでも、学校より柔軟な対応をしてくれていました。
どうすれば通えるのか
残念ながら、適応指導教室へ直接問い合わせてすぐ通える、というわけにはいきません。
まずは在籍している学校内で話し合い、教頭や担任から適応指導教室宛に面談の申し込みをするという流れが多いかと思います。(直接申し込みもOKな教室もあるかも?)
面談の後、実際に利用するとなれば、在籍校・教育委員会を経由して書類の提出が必要です。
私は直接見てはいませんが、担任が記入して校長の印鑑が必要な書類があるようです。
利用後も、場合によっては、適応指導教室へ在籍校の担任が訪れての面談が実施されるケースもあり、学校側の協力がなにかと不可欠です。(面談はないところも)
不登校の対応をする中で、担任や学校との関係が悪化していたり、不信感があったりする場合、手続きでまた学校と関わらなければいけないという状況は、保護者の心理的負担や抵抗感も出てくるかもしれません。
公的な機関であるが故に学校と連携することに一定の理解はありますが、様々な理由から学校を経由することに抵抗や拒否を示すケースもあると思うので、柔軟な対応があったら子供の居場所としてさらに普及するのではないかな、と思います。
メリット・デメリット
メリット
デメリット
情報不足
娘が利用できるようになったのは、教頭先生が教えてくれたことがきっかけでした。
GW明けから放課後登校を始めましたが、夏休み前にはそれも難しくなりました。
幼稚園の頃から行き渋りがあったので、ある程度は心の準備が出来ていた私は、学校に戻すことよりもフリースクールを探そうと考え始め、それを教頭先生に伝えました。
そして、教頭先生から、「こういう場所もありますが見学してみますか?」と案内されたのです。
しかし、教頭先生もそこまで詳しくはない様子でした。
管理職の立場の人でも、実態を正しく理解できていない。
でもこれ、決して珍しいことではなく、適応指導教室の存在は、学校関係者の間にあまり浸透していないのではないかと思います。
先生が悪い!勉強不足だ!と言っているのではなく、本当に、これまで知る機会がなかったのかなと思います。
あそこに行ったらもう最後
そんな誤った認識によって、保護者から打診があっても断っている先生もいるようで、どうやったらそんな認識になるのだろうと不思議に思います。
残された学びの場を、成長の機会を、学校側の知識や認識不足によって奪うことはあってはならないと思うのです。
少なくとも、管理職や相談窓口にあたる方々は、地域の適応指導教室を見学し、運営方針などを知り正しく理解する機会が必要なのではないかと思います。
適応指導教室は、義務教育期間に通える学校以外の公的な場として大変貴重な存在です。
不登校や行き渋りになった時、学校にこれまで通り通えるようになることだけを念頭に置いた対応だと、余計に悩んだりこじらせてしまうこともあります。
そもそも、不登校は誰がなってもおかしくないのです。
不登校になる子の全てが、先生や学校の不適切な対応が原因というわけでもありません。
子供同士の問題もあれば、多感な成長期での、子供個人の問題によって学校と距離を置く場合もあるでしょう。
誰もが学校に通うことに迷いが出たり、戸惑いが生じることがあるということを前提にして、【第2の居場所】として教室の存在を予め公表・告知をしておくのが良いのではないか、とも思います。
適応指導教室の存在意義
適応指導教室へ通い始めたとしても、ずっとそこに通わないといけないわけではありません。
学校へ行けそうな時は学校へ行ってもいいし、中学を卒業するまでずっと適応指導教室へ行ってもいい。
子供本人がどうしたいか、を優先すべきだと思いますが、公的に用意されている場所ですから、親としても可能なら利用しない手はないと思うのです。
勉強も親が教えるにも限界があるし、家にいるとどうしても、部屋にこもってしまったり、動画やゲームだけになりがちです。
もちろん、動画やゲームが悪いこととは思いません。
その時間が必要な時もあるでしょう。
一人の時間が必要な時もあるでしょう。
ただ、外の世界へ興味が出てきたり、
どこかに行ってみようかな…
誰かと話したり遊んだりしたいな…
そんな思いが出てきた時に、適応指導教室の存在を知っているか知らないのかで、大きく変わってくるように思います。
嫌な思い出やツライ過去がある学校に再登校することは、とても勇気がいることだと思います。
でも、適応指導教室を利用することが出来れば、自分のペースで少しずつ復帰をしていけるかもしれません。
子供たちは、成長する過程で様々な感情と向き合います。
その感情の中には、受け入れられるものもあれば、どうやっても受け入れられないものもある。
自分の体で受け止めきれないほどの感情が渦巻き、自分で自分をコントロール出来なくなることだってあるでしょう。
自分を見失ったり、
【なんでも頑張るいい子】でいられなくなったり、
これまで出来ていたことが出来なくなることだってあって当然だと思うんです。
疲れたら休む。
ペースを落とす。
嫌なことからいったん離れる。
義務教育の9年間の中で、そんな時間があってもいいんじゃないでしょうか。
それが、学校で叶わないのならば、適応指導教室という場所で、心を整えながら出来る範囲で活動をしていければいいと思うのです。
適応指導教室は、
【出席日数を稼ぐためだけの場】でもなく、
【学校に行けなくなった子が行く場】でもなく、
学校しか知らなかった子供たちの休憩所のような…
自分自身や人生を見つめることが出来る
そんな場所になったらいいなと思っています。
最後に、私はフリースクールでもホームスクールでもいいと思っています。
ただ、フリースクールは費用の問題がありますし、ホームスクールだと仕事をしている親はどうするのか?という問題もあります。
そんな時に、費用の負担なく、日中通える場所として適応指導教室の存在を知って活用してもらえたらなと思って今回書きました。
少しでも、参考になれば幸いです。
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